篁 さま

 
  余りに遠い記憶は
  涙を誘(いざな)う
 
  自分を操り
  操る自分に疲れ
  それでも
  気付かせずに居た                       photo by 天の欠片
  私自身を                                      
 
  目にした景色が
  目にした色が 香りが
 
  私を 昔へと引き戻す
 
  私が 今の私でなかった頃の私へと
 
 
  いい加減に疲れた と
  いい加減に終わらせたい と
  戯言をのたまう 自分を
  如何にか制し
 
  道標さえ無い道を
  終わりの見えない道を
 
  ただ 歩く
 
 
                                            5/6