篁 さま

抗うでもなく
吹く風に 吹かれるままに 靡き
折れそうで折れない 細い茎
 
腰丈程の 広闊なる草原
一面の緑 点在する薄桃色
 
                                   photo by 天の欠片
あの花は もう咲いているでしょうか                        
 
 
そうありたくて 何時も胸に秘め
真冬でも 雪の中にその影を見ていました
 
 
憧れは 幻
掴めそうで掴めない
 
それでも
諦めることも出来はしない
 
 
あれ程高き背丈で 強い風に靡く撫子を
目にすることは もう無くて
それでも その姿 消えることは無いのです
 
 
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