揺れる揺れる 風に吹かれ
揺れる揺れる 小さく微かに
人の手により
作られし事など
意に介さぬが如く
懸命に 花咲かせ
香り漂わせて
少なき緑なれど 否 少なき故に 心 奪われる 一処にて どれだけの時間を過ごしても 構わない と思える程に
日蔭に 植えられし
沈丁花
葉も 殆ど 付けず
花も 殆ど 付けず
何故に 此処に植えたのだろう と
切なさ誘う
病室に戻り 我が身の 置かれし 現状を知る 後 何度 何度 此の空間を 行き来するのだろう 腹の奥から込み上げて来る 苦しき 思いを 押し殺し 私は 私を保とうと 心の操作に入る
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